「即位の礼・大嘗祭違憲訴訟」分離、差し止め請求却下決定を糾弾する!

東京地裁による「即位の礼・大嘗祭違憲訴訟」分離、差し止め請求却下決定を糾弾する!

「即位・大嘗祭」違憲訴訟の会
 2019年2月8日

 東京地裁(民事38部・朝倉佳秀裁判長)は2月5日付けで、昨年12月10日に私たちが提訴した「即位の礼・大嘗祭違憲訴訟」のうち、一連の天皇「代替わり」儀式に対する国費支出の差し止めを求めた部分について、ただの一度も口頭弁論を開かないままに、「訴えを却下する」との決定を下した。
 私たちの訴訟は、即位の礼・大嘗祭儀式をはじめとする一連の儀式全体の違憲性を問いただし、儀式に対する国費支出の差し止めと、合わせて、すでに進行している儀式の準備によって生じた損害賠償を求めるものである。しかしながら裁判所は、一体であるべきこの訴訟を勝手に分離させ、前者差し止め請求を「行政事件」として、後者損害賠償請求を「一般民事事件」として、別々の部に係属させた。弁護団・原告はそれを不当として、ふたつの裁判を併合するように申し立てを行ってきたところである。
 損害賠償請求については、2月25日(月)に1回目の口頭弁論が開かれる予定であるが、それに先立ち、今回東京地裁は、行政事件部分に関して請求却下の決定を下した。その理由としては、法律は、原告らが主張するような「納税者基本権」などの権利を保障していない、また、国費支出の違法性を理由として支出差し止めを求める訴訟を認める規定も存在していないので、本件訴えは不適法であり、「口頭弁論を経ないでこれを却下する」ことにしたというのだ。
 前回の即位・大嘗祭訴訟においても、結果的に「納税者基本権」は認められなかったものの、口頭弁論の過程、あるいはそれをふまえた判決文において、「納税者基本権」の是非について一応の検討はなされている。しかし今回の地裁判決は、そうした立場にさえ立たず、文字通りの「門前払い」をくわせたものである。
 今回の決定が、「代替わり」儀式の本格的な開始を前に、儀式それ自体への異議申し立てに議論の余地はない、とりわけ天皇制に関わる問題に対しては、一切の議論をすることもせずに「前例を踏襲」するという、これまでの国・政府の立場を追認するものでしかないことは明らかだ。
 私たちは、この不当判決に対して抗議するとともに、ただちに控訴の準備をおこなう。さらに2月25日の口頭弁論の場においても、「即位の礼・大嘗祭」等儀式の違憲性を主張して闘い続けることを明らかにする。