即位・大嘗祭違憲訴訟の会NEWS No.19

即位・大嘗祭違憲訴訟の会のニュース19号です。
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いよいよ最終弁論、結審へ
第 17 回口頭弁論に集まろう!

 2018 年 12 月 10 日に東京地裁に提訴した「即位礼・大嘗祭違憲訴訟」も 4 年半の年月を経て、今年 2023年 10 月 11 日午後 2 時開廷の第 17 回口頭弁論にて結審となります。
 この 4 年半の裁判を振り返って、不可解なことが沢山ありました。一つは裁判所の謎の対応です。この裁判は、幾つもの訴訟に分かれ、分割されたという不思議な道を辿りました。幾つも分割されたのでフローチャートを作成しなければ今回の口頭弁論はどこの裁判のどの段階を審理するものなのかが理解できないほどでした。
 当初提訴した内容は、即位の礼・大嘗祭等の差止と、即位の礼・大嘗祭等に国費を支出することに関する国賠訴訟の両方で、この事件は一般事件を取り扱う民事10 部に係属することになりましたが、提訴からわずか10 日後に裁判所より「差止訴訟に関しては分離されたのでお知らせする」との連絡があり、差止部分は行政裁判を扱う 38 部に係属するとの突然の連絡。私ども原告側は、一体として裁判を進める方針であったので、行政部で一般事件を扱えるので 38 部で併合審議してもらいたいと 1 月 15 日に申立書を提出するもなかなか返事がない。すると突然に 2 月 5 日に民事 38部から「本日、却下の判決を下した」という連絡が届き、一体何のことかと呆気にとられました。一度も口頭弁論が開かれず、判決すらも紙切れ一枚が郵送で届く。却下とは、手続き上明白な瑕疵がある場合に門前払いを食わす手続きとのこと。今回は手続き上の瑕疵など何もありません。
 その後も高裁に控訴、最高裁に上告するも 4 月 17日に高裁控訴棄却、10 月 1 日に最高裁は上告棄却と、あっという間に即位礼正殿の儀や大嘗祭が始まる時に片付けられてしまいました。即位礼が行われる時に差止を争うなど面倒なことにならないように、早急に片付けて、即位礼が始まる時には差止の裁判が話題にならないようにという、政府と裁判所が一体の策を練ったと疑わざるを得ないような対応を手続き論でやられたという感じでした。裁判が分離された、という時点で、いやな予感でしたが、そういうことだったのかと思いました。
 ちなみに差止は第二次訴訟も並行して争われて、こちらも地裁は口頭弁論も開かれずに却下、「畏れ多くも即位礼を差し止めるなどケシカラン」との意図を感じました。高裁もスピード感をもって片付けられるかと思いきや、二次訴訟高裁は、一応は口頭弁論を開きましたが一回で結審。しかし 2019 年 12 月 24 日の高裁判決は「地裁原判決を破棄差し戻し」を求めました。私はさすがに仕事柄 12 月 24 日クリスマスには裁判所には行けませんでしたが、この裁判での唯一のグッドニュースでした。理由は「人格権に基づく請求については判断していないので、手続き上法令違反にあたる」とのこと。手続きを問題にしただけのこととのことですが、スピード棄却されるよりはましでした。しかし、その後、幾つも訴訟が分離される複雑怪奇な道を辿りました。裁判所はコロナ禍を理由に裁判を開かない。そうこうしているうちに、あらゆる儀式が終わり、差止めどころではなくなる。唯一残った立皇嗣の礼だけが首の皮一枚繋がった差止対象でした。そのため原告側も 、 立皇嗣の礼が終わると差止めの事実そのものが無くなるため、腰を落ち着けた論戦ができないまま終わりました。変な手続きで真綿に首を絞められた感じでした。
 もう一つは、被告の国が何も主張しないこと。何も言わない、何も論じない。放置しておけば、裁判所は却下してくれると高を括っているのと、論議すればするほど国が宗教行事をしている問題が明らかになり分が悪くなるので、原告本人尋問でも何も問わない、何も聞かない。かくして地裁は結審を迎えます。状況が良くても悪くても、諦めるわけにはいかない戦いを終わりまでご一緒に見届けましょう。