即位・大嘗祭違憲訴訟の会NEWS No.10

即位・大嘗祭違憲訴訟の会のニュース10号です。
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歴史を遡って徹底論議に臨む

 7月5日に開かれた第8回口頭弁論(国賠部分)に先立って、原告側弁護団は「第八準備書面」を7月2日に提出しました。「各論の補充」のタイトル、その内容は、戦前に遡る天皇制の果たした役割。具体的には侵略戦争に駆り立てた天皇制ファシズムを歴史を追って明らかにするものです。天皇代替わり諸儀式の問題を、2019年〜2020年に行われた儀式だけを見ていたのでは、問題の所在がわかりません。なぜ、戦後に政教分離原則が定められたのか。なぜ国家が宗教に関わることを厳格に禁止しなければならなかったのか。その理由が、即位儀式が行われた「今」を見るだけでは見えないからです。侵略戦争へと日本中を駆り立てた天皇制ファシズムは、今も戦前と断絶せず、象徴天皇制において継続され、連続していることを理解する時、問題の本質が見えて来ます。
 そのために、歴史を振り返る膨大な作業に取り掛かったのが 第八準備書面です。

 その目次は「天皇の戦争責任」、「天皇制ファシズムと教育勅語」、「天皇と『祝日』・元号・『日の丸』・『君が代』」、「三種の神器」。これで終わりではなく、これが始まり。今も連続する天皇制問題への取り組みへの膨大な作業が始まりました。さて問題は、裁判官が、これをどこまで取り上げてくれるか。「今の即位儀式に直接関係がない。」と、訴訟指揮の名目で切り捨てられないか、というところです。
 法廷当日は、20分程度の短い時間ながら、「なるべく早く片付けたい」と画策する裁判官と、「そう簡単に済む問題ではありませんよ」と粘る原告側の熾烈な駆け引きが繰り広げられました。