即位・大嘗祭違憲訴訟の会のニュース22号です。
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控訴審を前に──
即位・大嘗祭違憲訴訟の会 8/31 集会に集まろう!
即位・大嘗祭違憲訴訟の会事務局と弁護団は、今年 1月 31 日の一審判決における判決言い渡しのありさまと、その内容のあまりの粗末さに呆れ、怒り、即刻控訴に踏み切りました。
控訴審に向けて弁護団はいま、その準備で大奮闘中です。1審で展開された政教分離原則違反、信教の自由の侵害、思想及び良心の自由の侵害、主権者としての地位(国民主権)の侵害、納税者基本権の侵害等々に対する不当すぎる判決の、どこをどのように突いていくのか、あるいは新たな論点の模索や、1審における原告側の主張の強化など、議論が続いています。
たとえば権利の侵害について、原告と裁判所とではその認識のあり方に大きな齟齬があります。それはど素人の私にもよくわかります。この全く別の概念で権利侵害を考えている裁判所に、こちらの主張を認めさせるためにはどのような論理の組み立てが必要であるのか、等々です。
控訴理由書は6月末提出の予定で、控訴審は秋から冬にかけて始まるのではないかと予想されています。
その弁護団の頑張りに呼応し、事務局ではこの裁判を元気に推し進めていくために集会を開催しようと準備を始めました。控訴人・支援者のみなさん、そしてこの裁判を知る人知らない人、大勢の人に集まってもらえる集会を目指します。集会の内容的な詳細についてはまだ決まっておらず、これから相談していきます。
私としては、一つは原告・控訴人の思いを集会参加者とともに共有していく場にできればと思ったりします。原告・控訴人の思いは、原告・控訴人の数だけさまざまですが、控訴審を迎えるにあたって、なぜ私たちはこの訴訟の趣旨に沿った意思を公に表明するのか、参加者とともに共有できるような場になるよう、提案していきたいと思います。
また、政府はいま、天皇制の安定的な維持を目指し、「皇族数確保策」として旧宮家の男系男子を皇族として養子にしたり、女性皇族が結婚しても皇族の身分を保持するといった政府案を出し、法改正に向けて動き出しています。それは将来の天皇代替わりを滞りなく迎えることを目的としたもので、即位・大嘗祭に国が関わることを違憲とする本訴訟のテーマに繋がっていく課題でもあります。こういった現在進行形の天皇制を考えるための議論にもつながるような集まりにできればと、欲張ってみたりもします。
日本の侵略・植民地主義政策の歴史の問題、あるいは天皇制が社会に浸透させている差別意識や実際のさまざまな差別状況の問題などを考えれば、天皇制が続くことには疑問しかありません。あるいは天皇制の世襲原則による非民主的で基本的人権を無視した主権在民規定不在の状況や、信教の自由、思想・良心の自由、そしてそれらを表現する自由を侵害する天皇制には、反対するしかありません。この訴訟は、そういった天皇制のさまざまな問題を公的な場で問う裁判でもあるわけですから。
しかし、天皇制に対する異議申し立てがなかなか難しいこの社会にあって、この訴訟は、政府に追随し一体化しているとさえいえる司法との闘いでもあります。弁護団はこの司法に果敢にたたかいをいどみ、そのための論を練り上げています。
控訴審を元気に闘っていきたい。ぜひ、この裁判と天皇制の問題を考える集会にお集まりください。詳細については近日中にご案内します。ご参加を!
(桜井大子・事務局)